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・部屋を綺麗に保つのって大変だなあ。

・完璧に綺麗という状態はそれぞれ生活がある中で難しいけど、周りの人を聞いていると毎週決まった曜日に必ず掃除をするとか、その掃除の範囲とか、ベッドのシーツを毎週必ず交換するだとか…自分にとっては難易度が高過ぎる。

・私は元々汚部屋出身の人間だ。そもそも母親が片付けるのが得意じゃない人間で、その血を少なからず引いているわけだが。

母親と2人で住んでいた時の話、母親はインテリアや電化製品、洗剤、とにかく家の中で使う物全てにこだわりたがる所があった。

料理は好きで上手だったので、キッチン周りにお金をかけるのは理解できるが、様々な物に対するおしゃれを追求し過ぎて高価なアイテムだけが異様に揃っていく。ただ片付けだけが本当に出来ない。ので、面白いのだが、めちゃくちゃカッコよくて機能的なゴミ箱を買って使っていたが、使えていなかった。ゴミをゴミ箱に捨てられないのだ。

 

・来客がある時もあったので、慌てて何もかもをゴミ袋に詰め込みベランダに隠したり、私の押し入れに詰め込んだり、「普段から綺麗ですよ〜」のアピールが上手くなるだけで掃除のセンスは全く上がらない。そういう事がないと本当にゴミ屋敷だった。食べ物のゴミはそこらに散らばっているし、物が溢れていて足の踏み場がない。ただ買う物だけはこだわっているので不思議と「実家の雑多的な感じ」だけがそこにはなかった。

・祖母の家は実家の雑多的な感じだ。絆創膏とかチラシとか、ゴミを取るコロコロとかが常に手の届く位置にあり、ティッシュ箱のセット売りされた中で封を開けて1箱だけ使った後みたいな残りの2箱がそのまま乱雑に置いてあるとか、とても生活感に溢れていた。祖母も母親も、とにかく家に物が多いイメージだ。

 

・自分も一人暮らしを始めたばかりの頃は、初めて自由に出来る自分だけの空間というのが嬉し過ぎてかなり頑張って綺麗にしていた。が、それも束の間。

そもそも汚い空間で暮らす事が自分の中で苦痛ではないので、すぐにゴミ屋敷になった。ベッドの上で食事をするのでシーツは油のシミや食べカスもあったし、食後のゴミも袋の口を縛ってそのまま何袋も置きっぱなしにしていた。服は脱ぎ散らかして山になっており、あらゆる物が床に散らばっている。

引っ越した当初から完全に人を入れる気が全くなく、孤高の城にしようと思っていたので「自分さえ良ければ」の完成形だった。夏場は虫が湧いたりしてそれは最悪だった。

 

・元カレが近所に会いにきた時、トイレを借りたいと言ったが当然入れるわけもなかった。入れられる訳がないと言うべきか。「トイレだけだから!」と必死に頼みこまれた。彼氏だし、別にそれを理由に家の中に入ってもおかしくない関係性で、しかも目の前の彼氏は下心というより本当に尿意で冷や汗をかいていた。そんな相手を前にしても、家にあげてあげる事ができなかった。

しかし、本来人を家に入れたいと微塵も思わなかったので、その彼氏が家に入る事すら嫌悪感を抱いていた。まだこいつは、私の城に入る資格がないなどと思っていたのだ。

 

・そんな頑なに人を入れたがらない私が、意を決して片付けをし、家に入り浸ることを許せた今の彼氏はすごい。

・付き合いたての頃はお互いが一緒にいたい気持ちが一番強い時なので、よくホテルに泊まっていた。彼氏はルームシェアをしているのでそちらの家に行っても2人きりにはなれず、ホテルに行くか私の家に行くかしか、2人の時間が取れそうな場所がなかったのだ。

・毎回ホテル代は払ってくれるが、週に3,4回、それをしばらく続けているとお金を払っている姿を見る度に心が苦しくなった。性的な行為はない事も多かった。ただ私といたいだけで、こんなにお金を払わせているなんて、と。

家に行きたいと言われた事はなかったのだが、これをずっと続けていくのは私が嫌だと判断した。そして、この人なら、私の家にあげてもいいかなと思えたのには他にも理由がある。

 

・母親が物に執着して物で溢れていたのを見ていたので、私の家は比較的物は少ない。代わりに本当に部屋に置きたい物しか置いていないので、漫画や本、画集、フィギュア、etc... 自分の美的感覚がモロ!表れている部屋なのだ。

 

・私は本当に好きな物を人に見せたり話す自信があまりない。語彙力もない。素敵なものを、素敵だと上手く伝える技量がないので、それがどれくらい自分にとって影響されて、大切なもので、いかに素晴らしい物なのか、自分の中で思っている程の熱量を相手に伝える事が出来ていないと思う。

それによって、誰かを家に呼んだ時、自分の感覚となんとなく異なる人が来た時、部屋の中の物をじろじろ見られたり、つまんなそうにされても嫌だけど、ベタベタ触ったりずけずけ聞いてきたりするのも嫌で、なんというか、自分の柔な部分を曝け出したのが自分の部屋という感覚なのである。だから適当な感想をされたくない。何もかもに対して、適当に思ってほしくない。

自分の心の中に人を呼んだ感じがして、良くも悪くもあれこれ言われたくない、見られたくないと思っていた。

わがままでナイーブだと本当に思う。

・実家にいた頃は過保護で過干渉な母親といたのでプライバシーがほとんどなかった事もあり、今の自分の部屋はそういうのを大事に大事にして、自分なりの心地よさを目指したからだろう。

 

・今の彼氏は、そこを通過できると何故か思えた。好きな物が似通っているからだと思う。

例えば私が中学生の頃、誰にも言わず大事に好きだと思っていた作品を、彼も同じように大事にしまって好きだと思っていたりした。

彼は16歳も歳が上なのに、見て触れてきた物が似通っていてびっくりしたのだ。そしてそれだけ先に人生を歩んでいるので、私が好きになりそうな物を先に好きになっている。教えてもらう事も、私の好きな類の事が多くて、それが純粋に嬉しかった。

恐る恐る、好きな画集の話をして、それを見せた時「うん、お前が好きそう」「いいね、かっこいい」と、肯定してくれた時に、心の中でぶわわ、と何かが溢れ出た。この瞬間が一番緊張する。自分の作品でもないのに、変だなと思う。

 

・なんか彼氏大好き話みたいな感じなんだけど、実際それに感動して、私の城へ入る事を許した唯一の人になったわけだ。(学生時代の気の知れた友人を除いて)

 

 

・冒頭に戻るが、綺麗な状態を保つのは難しい!

 

・そんなこんなで、今はいつ人が来ても全然余裕なくらい部屋が美しい。血の滲む努力をして部屋を片付けて以来、マメに掃除をしている。人権のある生活をしている。でもやっぱり、彼氏が来る予定がないと別に自分は困らないので少しずつ汚くなっていく。洗濯物を畳み忘れるとか、洗い物が溜まるとか。

・家に来て連泊して一緒にいるのは楽しいけど、同棲となるとあまりイメージがつかないのでそんな話はしていない。でも万が一するってなったら、こういうのなんとかしないといけないのかな?と思う。衛生観念の話なので、私は割とどんなでも気にならない自信があるが、相手はどこまで理想があるのかわからないしね。

・バスタオルとかいつ洗うのが正解なんだろうとよく思う。

 

・でも一度綺麗にすると、こまめに少量の汚さをなんとかするだけなので掃除の労力があまり要らない事に感動した。

今まではとことん汚くして、来客がある時慌てて掃除するみたいな方法でしか掃除をしないので掃除=大掛かりで疲れるというイメージが強かった。

たまにパワーが有り余っていて暇な時、洗面所とかを突然綺麗にし出して、そこが綺麗過ぎるあまり他の部分がミスマッチに見えてきてパワーの続く限り床やら風呂場の掃除を一気に済まし母親に褒められた時があった。一度始まると気が済むまでやりたくなる。

でも学校や職場の掃除はわりとサボったりしないんだよなあ。掃除という概念自体については、あまり嫌な気持ちがないのかもしれない。

綺麗にするのは気持ちが良い。でも汚いのはそれはそれで落ち着いてしまう。

 

・次の休みはちょっと気合い入れて掃除でもしましょうかね。

 

 

・そろそろ本格的に暑いからベッド周りを夏仕様にせねばな〜

・ひんやりマットってひんやりするけど、見た目がダサいからやなんだよな。なんか良いのないですか。